PESI-MS

Non-proximate PESI-MSに関してはこちら


ここではアンビエントイオン化法である探針エレクトロスプレーイオン化法 (Probe Electrospray Ionization, PESI)を用いた質量分析(MS)について説明します。 アンビエントイオン化法を利用したMSをアンビエントMSと呼びます。

PESIの原著:Hiraoka et al., Rapid Commun Mass Spectrom, 2007

PESIでは金属製の探針をアクチュエーターで上下駆動させ、検体の採取とイオン化を周期的に繰り返します。
PESI用プローブ (探針)

PESIには他のイオン化法にはない特徴が備わっています。
・ 大気圧下で測定が可能
・ 試料量が非常に微量でよい (数ピコリットル)
・ 極めて低侵襲である
・ 試料の前処理が不要
・ ランニングコストが安い
・ 塩や界面活性剤の影響を受けにくい
・ ESIでは検出が困難な生体分子も検出できる場合がある (中性脂肪など)
・ リアルタイム動態解析が可能

本システムは固体、液体を問わず、ほとんどの生物試料を前処理なく質量分析することが可能です。

PESI-MSに関する代表的な論文
血中循環腫瘍細胞 (Circulating Tumor Cell, CTC) の検出
Sakamoto et al., Transl Cancer Res. 2018;7(3):758-764.
動脈硬化の診断
Johno et al., Metabolomics. 2018;13(38):1-11.
消化器粘膜がんの診断
Ashizawa et al., Oral Oncol. 2017;75:111-119.
生きた動物の分析に向けた改良
Yoshimura et al., Mass Spectrom (Tokyo). 2014;3:1-7.
肝細胞がんの診断
Yoshimura et al., Anal Chem. 2013;441(1):32-37.
腎細胞がんの診断
Yoshimura et al., J Am Soc Mass Spectrom. 2012;23(10):1741-1749.
生きたマウスの脂肪肝の検出
Yoshimura et al., Anal Biochem. 2011;417(2):195-201.

PESI-MSでは生きたままの動物から生体成分をMS可能。
我々の研究室では世界で始めて、PESIを用いて生きた動物からリアルタイムに
低分子代謝物を検出することに成功しました。
Development of Non-proximate Probe Electrospray Ionization for Real-Time Analysis of Living Animal, Yoshimura et al., 2014
図はマウスの尾静脈から投与された薬剤が肝臓に輸送され、その後代謝される様子を経時的に観測した例です。PESIは内在性分子の発現量を解析することができますが、投与された薬剤の動態解析も可能です。
前処理不要、リアルタイム分析が可能という特徴を生かし、術中オンサイト診断への応用に向けて研究を進めています。
さらに医学、生物学の分野みならず、広範な目的に応用することができます。
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